真夏の深夜、愛車レクサスGSに乗り込み、岐阜県東濃地区からひとり旅をスタートさせました。夏とはいえ日中はかなりの暑さだったので、あえて深夜の時間帯を選んで出発。目指すは、世界遺産の合掌造り集落が点在する白川郷方面と、石川県の白山エリアです。
高速道路を快適に走らせながら、夜の静けさと街灯のリズムに心が落ち着いていきます。長距離ドライブも楽々こなせるレクサスGSは、こういった“ちょっと遠くまで”の旅には本当に頼れる存在。ナビをセットして、静かに家を後にしました。
真夏の夜は極寒!?「道の駅 白川郷」でまさかの車中泊
数時間のナイトドライブを経て、「道の駅 白川郷」に到着。以前日中に訪れたことはありましたが、深夜の道の駅は初めてで、その静寂にまったく違う空気が流れていました。期待に胸を膨らませ、すでに旅気分は最高潮!
…と思っていたのですが、ここでひとつ大きな誤算が。半袖で来たのは完全に失敗でした。真夏だからと油断していたのですが、山間部の夜は想像以上に冷え込みます。外に出ると、思わず「寒っ…」と声が出るほど。まさかの寒さに震えながら、トランクにブランケットを積んでいて本当に良かったと心底思いました。
早朝の澄んだ空気に包まれて──合掌大橋で小休憩
朝のひんやりとした空気の中、車中泊をした「道の駅 白川郷」を出発し、まず向かったのが世界遺産「菅沼合掌造り集落」です。その道中で立ち寄ったのが「合掌大橋」。
合掌大橋は、まさに山間の谷をつなぐように架けられた美しい橋で、絶好の眺めスポット。橋のたもとで車を停めて外に出ると、周囲には澄んだ川の流れと山々の緑が広がり、朝の静けさと相まって、とても贅沢な時間でした。観光地というよりは“生活道路”のような雰囲気もあって、地元の空気に触れたような気がします。
カーナビも混乱!?岐阜と富山をまたぐ山道ドライブ
そこから菅沼へ向かう道中は、想像以上に面白い体験が待っていました。山道を進むと、岐阜県と富山県の県境が何度も現れるルートになっていて、カーナビが「岐阜県に入りました」「富山県に入りました」と、まるで実況中継のように通知を繰り返します。
ひとりで思わず笑ってしまうくらい、何度も県境を越える道。これもまた“山間ドライブ”ならではの魅力でした。
ただし、道中は基本的に携帯圏外。ストリーミングの音楽は途中で止まりがちで、ダウンロードしておけばよかった…とちょっとだけ後悔。静かな山道をエンジン音と風の音だけで走る時間も、それはそれで旅らしくて良かったですが、少し不便さも感じるルートです。
日本昔ばなしの世界へ──静かな朝の「菅沼合掌造り集落」散策
そんな山道を抜けて、ようやく到着したのが「菅沼合掌造り集落」。駐車場が崖の上にあり、エレベーターを使って集落へ入るのですが、集落に続く道がまるで絵画のように美しく、惚れ惚れしてしまうほどでした。
集落は白川郷と比べるとコンパクトで、早朝のため観光客の姿もまばら。どこか“暮らしの気配”を感じる落ち着いた雰囲気が漂っています。茅葺き屋根の合掌造りの家々が立ち並ぶ光景は、まるで日本昔ばなしの世界そのもの。川沿いの道を歩きながら写真を撮ったり、静かにたたずむ家々を眺めたり。朝の澄んだ空気の中で、非日常に包まれるような感覚がありました。
静けさと賑わいのコントラスト──「相倉合掌造り集落」の魅力
「菅沼合掌造り集落」をあとにして、次に向かったのが「相倉合掌造り集落」です。到着したときは、まるで時間が止まったような静けさで、観光客もほとんどおらず、集落の中をゆっくり歩いて回ることができました。茅葺き屋根の連なりと、緑の田んぼ、遠くに広がる山々。心に深く残る日本の原風景です。
そして、せっかく来たからにはと、少しだけ頑張って相倉の展望台にも登ってみました。動物よけの鈴が多くあり、野生動物が多く自然豊かな場所なんだなと思いつつたどり着いた展望スポットからは、相倉合掌造り集落を一望できる大パノラマが広がっていました。しばらくその場を離れたくなくなるほどの絶景に、時間を忘れて見入ってしまいました。

地主神社に佇む「皇太子殿下御歌碑」
相倉の集落には、地元の信仰を支える「地主神社(じぬしじんじゃ)」がありました。その境内には、皇太子殿下による御歌碑が静かに建てられています。石碑には、かつて殿下がこの地を訪れた際に詠まれた歌が刻まれており、相倉という場所がどれだけ特別な文化的価値を持っているかを改めて感じさせてくれます。
その存在に少し驚きつつ、思わず見入ってしまったのですが、なぜかそのとき、撮ろうと思っていた写真を撮り忘れてしまいました。あとになって「あっ…撮ってない…」と気づいて、少し悔しい気持ちに。でもそれも、旅の思い出ですね。

大型バス到着で景色は一変
地主神社から戻り、そろそろ次の目的地へ向かおうかと駐車場へ向かうと、なんと大型バスが数台到着していました。それまでの静けさが嘘のように、一気に観光客でにぎやかに。日本人の方もいれば、海外から来られた観光客も多く、「ああ、自分は本当に人が少ない時間に来られてラッキーだったな」と思いました。早朝の相倉の静けさと、日中のにぎわい。そのコントラストもまた、旅の醍醐味かもしれません。
レクサスGSには危険!?「夫婦滝」で予期せぬ細道ドライブ
「相倉合掌造り集落」をあとにして、次に目指すは「白山比咩神社」。……とその前に、地図を眺めていて気になった「夫婦滝(めおとだき)」へ立ち寄ることにしました。
ナビに従って走り出すと、道はどんどん細くなり、ついには車一台通るのがやっとという幅に。しかも、路面はガタガタ。正直、GSのようなセダンで来る場所じゃないな……と何度か後悔しそうになりました。道中では車体の底を擦らないように神経を使い、低速で慎重に走ることに。できれば、最低地上高が高いSUVやクロカンようなしっかりした車で来るのが安心です。
とはいえ、その先には“来てよかった”と思える風景が待っていました。途中で突然、視界がパッと開ける場所に出たのです。そこから見えたのは、眼下に広がる町並みと山々が織りなす絶景。思わず車を停めて、しばらく見入ってしまいました。こういう偶然の風景との出会いこそ、ドライブ旅の醍醐味だと改めて感じました。
夫婦滝そのものはこぢんまりとした滝ながら、名前の通り大小二筋の流れが寄り添うように落ちる姿が印象的で、どこか神秘的な雰囲気をまとっていました。まわりには他の観光客もおらず、滝の音だけが響く静かな空間。ひとり旅ならではの贅沢な時間でした。夫婦滝を後にして、下山したのですが後々調べるともう少し登った先に神社があったそうで、下調べしない雑旅の悪さが出てしまいました。
神秘の森に息づく白山信仰の総本宮「白山比咩神社」
夫婦滝からさらに車を走らせて向かったのは「白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)」。霊峰白山を御神体とする全国白山神社の総本宮で、自然信仰の息づくパワースポットとしても知られています。
駐車場から表参道を歩き始めると、すぐに空気がひんやりと変わるのを感じました。木々が生い茂り、琵琶滝から流れる涼し気な音、緑に包まれるような道はまるで別世界。夏なのにどこか涼しさを感じさせる空間で、歩くだけで心が整っていくような、そんな不思議な感覚がありました。ところどころで撮影した境内の写真も、どれもどこか神聖な雰囲気を湛えていて、後から見返しても気持ちが落ち着くものばかりです。
……と、神聖な気持ちで歩いていると、ふいに目に飛び込んできたのが「熊出没注意」の看板。しんと静まり返った参道に、突然のリアルな注意喚起。少し驚いてしまいましたが、それだけ自然が豊かということでもありますね。周囲の音に少しだけ敏感になりながらも、この場所の静けさと奥ゆかしさに魅了され続けました。

白山比咩神社と日本の艦船の深い縁
「白山比咩神社」といえば、少し意外な繋がりもあります。旧帝国海軍の空母「加賀」には、白山比咩神社の社殿を模した神棚が奉斎されていた歴史があります。そして、その名前を受け継ぐ現在の護衛艦「かが」には、白山比咩神社の分霊社「かが神社」があることが知られていますよね。神聖な場所でありながら、日本の歴史とも深く結びついていることに、改めて興味を覚えました。
迫力満点!「手取峡谷」で出会った自然の力強さ
「白山比咩神社」をあとにして、次に立ち寄ったのが「手取峡谷」。名前だけは聞いたことがあったけれど、実際に行ってみるとそのスケールと迫力にびっくり。駐車場からは急な階段を下りていく必要があり、ちょっとした運動になるレベルですが、それだけの価値はあります。
階段を下りきると、視界いっぱいに広がるのは透明感のある川と、対岸から勢いよく流れ落ちる美しい滝。岩肌を伝って流れる水の音が、自然の力強さを感じさせてくれます。少し距離はありますが、多くの方が記念撮影をしていて、皆さん思い思いの時間を過ごしていました。

その中で一番印象的だったのが、なんとヒールを履いた女性がこの急な階段を下りてきていたこと…!正直「えっ!?」と二度見してしまいましたが、そのバランス感覚とチャレンジ精神(?)にはちょっと尊敬の念さえ抱いてしまいました。とはいえ、訪れる際はスニーカーや歩きやすい靴を強くおすすめします(笑)。
ちなみに、上にある展望台は木々に視界を遮られてしまっていて、あまり景色は楽しめず…正直なところ、ここは展望台よりも下まで降りて体感する峡谷の迫力がメインだと思います。

いよいよクライマックス!「白山白川郷ホワイトロード」へ…まさかの通行止め!?
「手取峡谷」で自然の迫力を満喫した後は、今回の旅のハイライトともいえる「白山白川郷ホワイトロード」へ。石川県側から入るルートを選択し、レクサスGSを走らせました。石川県と岐阜県を結ぶ総延長33.3kmの山岳観光道路で、息をのむような絶景の連続が魅力です。紅葉の時期は特に有名ですが、真夏の深い緑の中を走るのもまた格別。深い山々を縫うように続く道は、まさにドライブ好きにはたまらないでしょう。
迫力の「ふくべの大滝」と、栂の木台からの絶景
ホワイトロードに入ってすぐ見えてくるのが、日本の滝百選にも選ばれている「ふくべの大滝」。高さ86mから流れ落ちる滝の姿は圧巻で、駐車場から間近に見上げられます。水の飛沫が涼しく、真夏のドライブで訪れるには最高のスポットでした。
さらに車を進め、たどり着いたのが「栂の木台駐車場」です。標高約1,400mに位置するこの場所は、周囲にブナの原生林が広がり、駐車場越しには美しい白山を望める絶好の撮影ポイントでもあります。眼下に広がる雄大な景色を眺めながら、しばし時間を忘れていました。
ホワイトロード通行時の注意点:突然の通行止め
残念ながら、今回は栂の木台駐車場が通行可能な最終地点でした。蓮如茶屋を含むその先の区間へは進むことができず、ここで折り返すことに。まさかの通行止めに直面し、当初の予定ではホワイトロードを抜けて岐阜県側へ出るつもりだったため、ここからが今回の旅最大のハプニングの始まりでした。
「白山白川郷ホワイトロード」は、冬季は全線通行止めになります(例年11月上旬から翌年6月上旬頃まで)。今回のように道路状況や時期によって通行できる区間が限られる場合があります。 訪れる際は事前に公式ホームページで開通期間や時間、通行料金、そして現在の通行可能区間を確認しておくことを強くおすすめします。道幅が狭い場所やカーブも多いため、安全運転を心がけましょう。—
予期せぬ足止め!福井県大野市で帰路に迷う
「白山白川郷ホワイトロード」の通行止めにより、岐阜県へ抜ける予定が狂ってしまいました。当初の計画では、そのまま岐阜県側へ進むつもりだったのですが、下道で迂回するしか選択肢がありません。仕方なく、福井県大野市を経由して岐阜へ向かおうと、ナビを再設定しました。
しかし、ここからがさらなる試練の始まりでした。158号線が通行止めなのは知っていましたが、主要な国道である157号線もまさかの通行止め。「どうしたものか…」と頭を抱えながら、代替ルートとして417号線経由で270号線を目指すも、こちらも通行止めの表示が。八方塞がりとはまさにこのことです。417号線だけで帰ると4時間以上かかる計算になり、時間的にも体力的にも限界を感じ、岐阜県へ抜けるのを諦めました。
最終的に、地元へ帰るため、福井ICから北陸自動車道に乗って帰路につきました。予期せぬ通行止めとルート変更で、当初の予定とは全く違う形での帰還となりましたが、予測不能なハプニングもまたひとり旅の醍醐味だと割り切ることにしました。
ひとり旅の終わりに──計画通りにいかないからこそ面白い
真夏の深夜に出発した今回のレクサスGSでのひとり旅。世界遺産の合掌造り集落の静けさ、「白山比咩神社」の神秘的な雰囲気、そして「白山白川郷ホワイトロード」の壮大な絶景と、日本の豊かな自然と歴史を五感で感じることができました。
時にハプニングもありましたが、それも含めて忘れられない思い出です。特に、深夜のドライブから始まり、早朝の静かな集落を独り占めできた時間は、まさにひとり旅ならではの贅沢でした。そして、まさかの道路通行止めによる予期せぬルート変更。計画通りにいかないからこそ、新たな発見や忘れられないエピソードが生まれるのだと改めて感じました。
もし、日常から離れて心をリセットしたいと思っている方がいれば、ぜひひとり旅に出かけてみませんか?きっと、あなただけの特別な体験が待っているはずです。ただし、山間部へ向かう際は、最新の道路情報を常にチェックすることをおすすめします!














